NLP資格取得のための費用と各講座の違い

企業内で部下指導を行っている人や、コーチングやカウンセリングを行っている人は、一度はNLPという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
NLPはビジネスの場だけでなく、プライベートの様々な場面で活用できるスキルです。そのため、学んでおくに越したことはありません。しかしながら、いざ講座に通おうとすると、それなりのお金や時間、労力がかかります。
そこでこの記事では、NLP資格の取得方法をお伝えいたします。
なお、NLPについてよく分からないという方は、まず『仕事に役立つ!NLPを使ったコーチングの手法』の記事からご覧ください。
目次
1 NLPの資格の種類
NLPの資格を発行する団体は数多くありますが、どの団体でも基本的には以下の3つの講座に分かれています。
- NLPプラクティショナー
- NLPマスタープラクティショナー
- NLPトレーナー
これを順番に学んでいく形式を取っています。
まずは、1. NLPプラクティショナーの受講が必要で、これを飛ばして2.や3.を受講することは出来ません。
また、1.NLPプラクティショナーと、2.NLPマスタープラクティショナーは、取得すると対外的に証明する資格を得ることができます。
さらに3.NLPトレーナーを取得すると、自分で講座を開催することで、1.2.の資格を発行することができるようになります。
各資格の取得はトレーナーから直接学ぶことが条件となっていますので、通信講座はありません。ただし、資格取得が目的でなければ、NLPの内容を学べるDVD等を販売している会社もあるため、通信でも学ぶことができるようです。
各講座の概要は以下のとおりです。
1-1.NLPプラクティショナー
この講座では、NLPの基本となる考え方やスキルを学びます。
講座では初学者にも理解し、実践できるように、NLPの様々な考え方やスキルについて、1つ1つ丁寧に学んでいきます。
そのスキルはどのような考えに基づくものなのか、どのように活用するのかを学びます。
トレーナーが実際にスキルを使うところを見た後に、受講生は実際にそのスキルを「使う」「受ける」という体験を通じて実践的に学んでいきます。
このような実践的な講座を受講することにより、以下のような能力が高まります。
■コミュニケーション能力
- 相手の行動に変化を促す心理的アプローチ方法
- 初対面の相手でも、信頼関係を構築する方法
- 目の前の相手との不一致を解消する方法
- 社内の人間関係を円滑にするコミュニケーション手法
■ビジネススキル
- 成長の加速
- クライアントの意図を引き出す手法を学べる
- セールスでの成約率アップや、お客様との信頼関係の築き方がわかる
■セルフマネジメント能力
- 感情のコントロールができるようになる
- 天才やカリスマの思考パターン・行動パターンを身につけることができる
- 悪習慣の改善
- 人生のミッションや方向性を探り出す方法論を学べる
- 自分に最適な学習メカニズムを知り、学習を効率化できる
- 人生の可能性の広げ方を知ることができる
上記の他、コーチング能力、セラピー能力、カウンセリング能力の向上にも役立ちます。
■扱う主な内容
- NLPの前提
- サブモダリティー
- リフレーミング
- アウトカムの設定
- モデリング
- ラポール
- ミルトンモデル
- キャリブレーション
- ペーシング
- メタモデル
- リーディング
- ミラーリング
- スイッシュ
- アンカリング
- インテグレーション 他
1-2.NLPマスタープラクティショナー
「NLPプラクティショナーコース」での学びを完成させていくために、より上級のスキルを学ぶのが、このNLPマスタープラクティショナーコースです。
NLPプラクティショナーコースの学びを復習しつつ、さらに強化していく講座となります。
主催している団体にもよりますが、主に以下のような5つのパートから成り立っています。
- 人生の方向性(ミッション)を見い出す
- セルフイメージの書き換え
- NLPの応用スキルの習得
- 言語パターンの習得(催眠言語、スライト・オブ・マウス)
- プレゼンテーション
■扱う主な内容
- バリュー(価値)
- ミッションの探求
- 目の前の相手との不一致を解消する方法
- 社内の人間関係を円滑にするコミュニケーション手法
- セルフイメージの構築
- ビリーフチェンジ
- ディズニープランニングストラテジー
- ミルトンモデル上級トレーニング
- 催眠(ダブルインダクション)
- LABプロファイル®
- コア
- トランスフォーメーションプロセス
- プレゼンテーション
- ネステットループ
- メタファー
- チェーンストーリーリンキング
- スライト・オブ・マウス
- グリーフワーク(悲嘆・喪失感を癒すワーク)
- NLPコーチング
1-3.NLPトレーナー
NLPプラクティショナー及びNLPマスタープラクティショナーの資格の発行ができます。NLPの1つ1つのスキルを学ぶというよりは、NLPを活用して受講生に教えるための影響力やスキルを身につけていきます。
2 NLPが学べる講座と費用
NLPの各講座の日数と料金の相場は以下のとおりです。
2-1.NLPプラクティショナー
⇒約10日間で30万円前後が相場。
ただし、様々な特典が付くことで40~50万円の講座もあり。団体に拠る。
2-2.NLPマスタープラクティショナー
⇒約10日間で30万円前後が相場
2-3.NLPトレーナー
⇒期間や料金は各団体によって異なります。
費用や日数はもちろんですが、NLPの資格講座に申し込む際は、誰に教わるかを考えることが非常に重要です。
「自分は資格を取得してどうなりたいのか?」という目的に基づいて、講座を選びましょう。
トレーナーとして独立してやっていくことが目的であれば、なりたてのトレーナーよりも、NLP講座のトレーナーとして長く活躍している人が良いでしょう。
また、コーチやカウンセラーとして独立していて、スキルアップが目的の方であれば、コーチングやカウンセリングで主に生計を立てている人から学んだ方が良いでしょう。
教えるのは上手いけれども、実践経験が少ない人も講師の中にはいます。
講師のプロフィールをよく読んでみてください。
団体によっては体験講座を開催しているので、試しに受けてみてもいいですし、資料請求ができるところもありますので、いろいろと情報を仕入れてみるのもいいでしょう。
また、以前は海外に行かなければトレーナーになることはできませんでした。しかし、現在は日本にいながらトレーナーの資格を取得することができます。
日本でもトレーナーの資格が取得できる主な団体は以下の5つです。
協会名:全米NLP協会
代表:タッド・ジェームス
日本での仲介団体:株式会社ジーニアス・ブレイン
協会名:米国NLP協会
代表:クリスティーナ・ホール
日本での仲介団体:株式会社ヴォイス
協会名:ニューコードNLP
代表:ジョン・グリンダー
日本での仲介団体:有限会社日本NLP学院
協会名:ICNLP
代表:ジョセフ・オコナー
日本での仲介団体:株式会社チーム医療
協会名:IANLP
代表:リチャード・ボルスタッド
日本での仲介団体:代表関係者が事務局
3 NLP資格の活用方法
NLP資格を取得し活用することによって、以下のような結果を得ることができます。
3-1.組織内での成果を高める
前述のように、コミュニケーション能力やセルフマネジメント能力を高めることができるので、現在所属している組織(企業等)において、より高い成果をあげることができます。
特に営業職に従事している人は、お客様との信頼関係を構築するとともに、ニーズをくみ取り、的確なサービスが出来るようになります。
また、部下を持つ管理職であれば、部下との関係を強化し、目標達成に向けてモチベーションを高めるようなアプローチが可能になります。
人事職であれば、社内で勉強会や研修を行うことで、社員のレベルアップを図ることも可能です。
3-2.コーチ、カウンセラー、セラピストとして活躍する
NLPはこれらの仕事と非常に相性がよく、身に付けることによってクライアントに提供できるサービスの質が高まり、評判が高まったり、クライアントが増えたりすることにつなげられるでしょう。
3-3.独立する
NLPのトレーナー資格を取得する事により、自身でNLPの講座を開催し、プラクティショナーやマスターの資格を発行することができるようになります。
ただし、このトレーナーの資格だけで生活を安定させている人は、少ないのが現状です。
なぜなら、受講生の立場からすると、よく知らない個人の講座に申し込むのは不安が大きく、大手の団体の講座を受講する方を選択しがちだからです。
他に企業コンサルや研修等の仕事があり、それにNLPをコンテンツとして加える、という活用方法の方が現実的です。
4 まとめ
NLPは実践的で使えるスキルですが、本格的に学ぶために資格講座に通うとなると、時間も費用もかかります。他の資格講座にも言えることですが、
- ・本当に資格講座の受講が必要なのか?
- ・本やネットで学ぶなどの代替手段はないのか?
- ・そもそも、何のために講座に通うのか?
等を、今一度考えてみることをお勧めします。
また、既に資格を取得している人に話を聞いて見るのも良いでしょう。
(名刺に肩書として書いている人もいます)
NLPを上手く活用し、あなたの人生がより豊かになるために、この記事がお役に立てれば幸いです。