【ミラーリング効果とは】相手の無意識にアプローチして信頼関係を築く6つの方法

皆さんは、チームのリーダーとなった際、どのようにして信頼関係を築いていますか?
例えば、みんな話を聴いてくれない、まとまりがない、あるいはまとめることができない等…リーダーとしてどのように接すれば良いか、迷う事、ありますよね。
私は小学校のPTA会長を務めており、それまでも専門部長や、学年委員長、幼稚園では児童会長をしてきました。各々のまとめ役、という点ではリーダーと同じです。
話を好意的に聞いてくれる人もいれば、全く耳を貸さない人、目を合わせない人。また上から目線や、怒りをぶつけてくる人。いろいろな方々に直面してきました。
年齢も性別も、個々の置かれている状況も様々です。このような人間関係を円滑に進め、出来るなら楽しく活動できる方法を模索している中で『ミラーリング』というコミュニケーションの手法を知りました。
早速、試してみると、目も合わせなかった人は、微笑みかけてくれるようになり、怒りをぶつけてくる人は怒りを鎮め、上から目線の人は同じ目線で大笑い出来るようになりました。
まずはミラーリングという一歩から相手との距離を縮めて、信頼関係を築き、あなたのリーダーとしての役割を大いに発揮していきましょう。
目次
1. ミラーリングとは
ミラーリングとは鏡のように相手の言葉やしぐさなどを真似る、簡単なコミュケーションツールの一つです。
2. ミラーリング効果とは
ミラーリング効果とは同調効果とも呼ばれ、好意を寄せている、もしくは好感を持っている相手に対して無意識に同じ動作を取ってしまう事をいいます。
例えばお笑い番組などで、ベテランのお笑い芸人が司会をし、若手がその話を聴いていたとします。大爆笑の場面になったとき、よくよく見てみると、ベテランも、若手も皆が、手をたたいて大笑いしています。
これは完全に同調効果であり無意識によるものです。
互いに番組を盛り上げ面白くしたい、みんなに喜んでもらいたい、自分たちも楽しみたい、という無意識のもとに同じ行動を取っている、というわけです。
3. ミラーリング効果で信頼関係を築く6つの方法
それでは、実際にミラーリングを使って信頼関係を築く方法を、6つのパターンを例に説明したいと思います。
ミラーリング活用1「初対面の人」
初対面の人に対してあなたが無意識にしていることがあります。
例えばお天気の話です。
「今日は天気が良くて、暑くなりそうですね。」
「そうですよね、天気が良くて、もうすでに暑いですよ。」
これは立派なミラーリングです。
初対面の方には天気の話から始めると入りやすいでしょう。
当たり前に感じますが、当たり前のことを意識して行動することにより、その後の相手の様子や、態度などが少しずつ見えてくるというものです。まずはそこからミラーリングを活用下さい。
ミラーリング活用2「あなたに敵対心をもっている人」
あなたに敵対心をもっている人は、あなたに対して誤った固定観念を持っていることが少なくありません。
自分の方があなたより優れているという思い込みを持っている場合もあります。
このような人に対しては『話題とキーワードのミラーリング』でこちらから歩み寄ることが効果的です。
私の経験になりますが、ある知人が私と目も合わせず、挨拶もせずに前を素通りし、ほかの人と話し始めたということが何度かありました。
そこで、話題とキーワードのミラーリングを試してみることにしました。
他の人と話を始めたところへ何気なく近寄っていき、話を聴いていると、ちょうど昨日行われたボクシングの話題でした。
「昨日のボクシング面白かったなあ」と話し始めたところで、すかさず、その話題のキーワードとなる言葉をミラーリングです。
「たしかに、昨日の ボクシング 面白かったね。」
そうすると、不思議と相手は一瞬、こちらに目線を映します。
まるで、え?興味あったの?といった相手の心の声が聞こえてきそうです。
つぎに、
『あのボディーブローが効いたなあ』ときたので、
『あの3ラウンド目のボディーブローね。』
などと具体的な用語がはいると、目線はこちらで、その後話が止まらなくなりました。
次に会った時は素通りなせず、目を合わせ挨拶してくれるようになりました。
もちろん、自分が入っていけそうな話題をミラーリングしてください。
その場だけ、合わせていても、自分が知らないということは、相手にも伝わり、いらぬ不信感を抱かれかねません。
ミラーリング活用3「心を開いてくれない人」
心を開いてくれない人は、心の底では自分のことを理解してほしいと強く望んでいます。
しかし、過去の経験から、自信を失い、人を信じることができなくなっているのです。
その人をよく観察してみると、一人でぽつんと居ることがほとんどです。
このような場合は、ぜひ『空間のミラーリング』を試してみてください。
自分自身もみんなの輪から少し外れ、一人ぽつんと居る。
相手は今どんな気持ちか、静かな空間から察してみる。
空間からあなたと一緒ですよ、という雰囲気をこちらも出してみる。
すると不思議なもので、相手の視界に入り何気ない会話が生まれるものです。
会話が生まれたら、先に述べた話題とキーワードのミラーリングなどを試してください。
相手との距離を縮め、抱えている問題や辛さを分けてもらいましょう。
分かち合う事で相手の表情が徐々に柔らかくなっていく事を目の当たりにします。
それは自分にとっても相手にとってもうれしいものです。
徐々にですが、チームの輪の中に入るという事へつながります。
ミラーリング活用4「怒りをぶつけてくる人」
怒りをぶつけてくる人に対しては『感情のミラーリング』が効果的です。
例えば、「○○の事でとても腹がたっている」と相手からの怒りを受けた場合、「そうでしたか、○○の事で腹がたっていらっしゃるのですね…それは大変でしたね」と話のキーワードだけではなく、相手の感情もミラーリングします。
相手の立場に立って、という言葉がありますが、それは相手の気持ちに同調して(寄り添って)という事へ結びつきます。
すると、相手は自分の気持ちを汲んでくれた、という安心感へとつながり、不思議と火が消えていくように落ち着いていきます。
次回からは怒りではなく、安心感の中あなたに話をしてくれることでしょう。
ミラーリング活用5「協力的な人」
協力的な人にミラーリングなどは必要ないかもしれません。
ですが、ここはあえて協力的な人が自分と同調しているかどうか確認し、ミラーリングという概念を腑に落としてみましょう。
先に述べたように、好意を寄せている、もしくは好感を持っている相手に対して無意識に同じ動作を取ってしまうミラーリング効果ですが、協力的な相手は、果たして自分に無意識に同調しているか否かを確認してみるのも面白いと思います。
たとえば、『仕草のミラーリング』で観察してみることにしましょう。
こちらが笑顔で挨拶したら、相手も素敵な笑顔で挨拶を返してくれたり、こちらがお茶をのんだら、相手もお茶を飲んでいるなど、自然な形で同調が起こっていれば、あなたと相手の信頼関係は強固なものであることがわかります。
逆に、あまり同調していないぞと気が付いたら、自分から相手をミラーリングすることで、より一層、信頼関係を深めることができるでしょう。
ミラーリング活用6「自分」編
自分にミラーリングするときは、『感情のミラーリング』を使います。
チームをまとめるというのは自分に余裕がないと出来ないものです。
そういう器だからこそリーダーに選ばれたのでしょう。
でも、時に孤独を感じるときありますよね。
そんな時には立ち止まって、自分の気持ちをミラーリングしてみましょう。
例えば「疲れたー」と自分が言っていたら「疲れたよね…」と。
また「まとめるのは大変だよな…」と言っていたら、「そうだよね、大変だよ。自分は頑張っているよ、よくやってるよ」と鏡に向かって言ってみて下さい。
これは気持ちを整理し、最後までやり遂げる一歩を踏み出すための方法です。
『自分とコミュニケーションをとる=自分ミラーリング』を活用し、自分自身と向き合い気持ちを整えることにより、信頼できるリーダーとしてチームメンバーをまとめることができるようになるのです。
まとめ
ミラーリングとは、信頼関係を構築する上で非常に有効なコミュニケーションツールです。
相手に同調し(相手に寄り添い)、安心感を持たせ、徐々に互いの無意識領域でも同調することにより、強固な信頼関係を築き上げることができます。
チームリーダーは、トップダウンで命令するだけでは人がついてきません。
真のリーダーシップを発揮するには、メンバーとリーダーが互いに尊重し合い、信頼し合うことが必要不可欠です。
ぜひ、ミラーリングを活用し、真のリーダーとしてご活躍されることを願ってやみません。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あなたを心から応援しています。