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メンター制度とは?メンターの持つ意味と役割

 2016/10/24 仕事術
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最近、メンターという言葉を良く耳にします。
メンターとは、いったい何でしょうか?

最近では一般の企業でもメンター制度を設けて、新人教育や若手社員の育成に当たらせているところもあるようです。

もし、今あなたが勤めているところにこのメンター制度があるなら、あるいは、新しくできたなら、いずれあなたもメンターになるかもしれません。

そんな時、あなたが「どうしたらいいんだ!」と悩まないように、メンターとは何かを理解し、うまく勤めるコツをお教えします。

 

メンターとは

1  メンターとは?

1.1 メンターの意味

「メンター」の語源は、古代ギリシャのホメロスの叙述詩「オデュッセイア」の登場人物である「メントール」から来ています。 オデュッセウス王は、かつての僚友であるメントールを息子テレマコスの賢者とし、その教育を任せました。 メントールはテレマコスの良き理解者であり、支援者であるとともに指導者としての役割を果たしました。 このメントールが英語でメンターと表現され、仕事上(または人生)の指導者、助言者という意味を持つ言葉になりました。 ちなみに、このメンターに対して支援、指導を受ける側を「メンティ」と言います。

1.2 メンター制度のメンターとは?

コトバンクによると、「メンター制度とは、企業において、新入社員などの精神的なサポートをするために、専任者をもうける制度のことで、日本におけるOJT制度が元になっている。
メンターは、キャリア形成をはじめ生活上のさまざまな悩み相談を受けながら、育成にあたる。」とあります。

この場合のメンターを本来の意味のメンターと比べると、違いがあることにお気づきかと思います。
本来のメンターの意味は、メンター制度のメンターよりももっと大きいもので、どちらかと言えば人生の師匠と言った方がぴったりするのではないでしょうか?

実際、同じような機能を持ちながら、大学や都庁などではチューターという表現が使われています。
従いまして、ここでは「メンター制度に基づくメンター」のお話をすることにします。

社員採用において、「即戦力」という言葉が良く使われます。
会社にとっては、社員が一日も早く一人前の仕事をしてくれれば、それだけコストを抑えて業績を上げることができます。
でも、それが行き過ぎたおかげで、長い目で見た人材の育成がまるでできていなかった。
その反省から、今この制度が注目されているのではないでしょうか。

1.3 メンター制度の目的

メンター制度の目的は、人材を育成して業績をアップさせることにあります。
新人には一日も早く職場の環境や仕事に慣れて、業績を上げてもらうこと。
そして、メンターであるあなたには、人を指導、支援することによって得た経験をもとにマネジメント力を付けて成長してもらうことにあります。

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2  自衛隊に昔からあった対番という仕組み

自衛隊に昔からあった対番という仕組み

2.1 対番とはメンターのことだった!

自衛隊という組織は基本的には全寮制で、同じ釜の飯を食い、指揮官の命令に従って、規則正しく、チームとして活動する。
こんな感じでしょうか?

でも、誤解はしないでくださいね!

決して個性の無い、ロボットのような集まりなんかではなくて、個性に溢れた、面白い集団です。

なお、私は航空自衛隊出身なので、陸上や海上自衛隊とは話の中で違う所があるかもしれませんが、そこはご容赦ください。

ということで・・・

そうは言っても自衛隊の生活は一般とは少し違いますので、新人には戸惑うところが少なくありません。

そんな新人を助けるために、自衛隊には昔から対番という仕組みが設けられておりました。

次の項からその内容をご説明しますが、
「これって、まさにメンターじゃん!」
あなたもそんな風に感じられるものと思います。

 

2.2 大切なのは人と人との繋がり

自衛隊には、新人に対して仕事面と生活面の二つのサポートがあります。
仕事面についてはOJT。
これは一般の会社でもお馴染みで、技術的な指導をする仕組みです。

それに対して主に生活面のサポートとして対番という仕組みがあります。
若い隊員は、もちろん外出はできますが、基本的に基地の中にある寮で寝泊まりをします。
そして、基地の中にある仕事場で、決められた時間とスケジュールに従って仕事をします。
もちろん、自衛官としての訓練も仕事の内です。

それまでの生活環境とは全く違う世界に入って来た新人には、慣れるまで苦労します。
もちろん人によって差はありますが、一日も早く自衛隊の生活に慣れて仕事ができるよう、
精神的な面も含めて対番がサポートします。

寮での生活の仕方だけでなく、仕事場での人間関係の悩みを聞いたりすることもありますし、
担当の職務が違う場合は仕事の直接の指導はできませんが、
仕事に対する基本的な考え方や仕事の進め方について、助言したりもします。
世話をしてる新人の上司や先輩の評判とか、気を付けなければいかないことなどを話すこともあるようです。
また、時には一緒に外出してお薦めの飲み屋や穴場を教えたりなんてこともします。

このように、自衛隊では当たり前だったことが今世間で注目されているという事実を知ると、結局、大切なのは人と人との繋がりなんだなということに、改めて気づかされます。

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3  メンターに求められるのは何か?メンターの役割とは?

3.1 上司ではカバーできないもの

では、改めて考えて見ましょう。
何故メンターが必要なのでしょうか?

仕事の相談なら上司だって受けることはできるはずです。
でも、それは上司と部下の間にいわゆる子弟関係のようなものができているときです。
指導する側とされる側の、良好な人間関係です。
この人間関係ができていないと、部下は上司に相談する勇気はなかなか持てません。

組織が小さければこの人間関係は割とつくりやすいものですが、それが大きくなればなるほど難しくなります。

上司は部下を直接評価する存在です。
人は自分が評価されていると思うと、なかなか本音は出せません。

必要なコミュニケーションが取れないのです。
すると、そこにはお互いを理解する環境など作れるわけがありません。
理解が無ければ、何の進歩も生まれません。

あなたは親や学校の先生に話せないことを、兄や姉、あるいはクラブの先輩などに相談した経験はありませんか?

言葉では表しきれませんが、その人との位置関係というものは存在します。
それによって相談しやすかったり、しづらかったりするものです。
それをカバーするのがメンターなのです。

3.2 組織を支えるメンター

メンターとして新人を割り当てられたあなたは、組織を支える存在となります。
あなたのメンティを育て上げることによって、組織の業績が向上します。
あなたの力が組織を育てるのです。

こんなことを言うと、荷が重くてかなわないと、あなたは思うかもしれません。
でも、そもそもメンターに指名されるということは、あなたが認められているということでもあります。
自信を持って後輩を育ててあげてください。

その一方で、メンターとして新人を育てるということはあなた自身の勉強にもなります。
メンティに対して何をどうすれば効果的なのかを考え、指導、助言することによって、マネジメントに必要な知識や経験となり、あなたの力になるからです。

また、やがてその新人が育って、しかも、あなたとの人間関係がしっかりできれば、あなたにとって力強いパートナーとなってくれるはずです。

もちろん、時には失敗することもあるでしょう。
でも、例えその時はうまくいかなかったとしても、その経験はあなた自身の教訓として必ず役に立つはずです。

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4  メンターってどうすればいいの?

道しるべ

4.1 メンティが欲しいもの

あなたが新人だったときのことを思い出してください。
まだ、右も左も良くわからない職場で初めて仕事を任されたあなたは、いったい何を望んだのでしょうか?
いったい何が知りたかったのでしょうか?
おそらく、あなたのメンティも昔のあなたと同じような思いを持っているはずです。

新人は慣れないことばかりで、仕事のやり方とか将来の不安とか相談したいことがたくさんあると思います。
でも、それって上司にはなかなか相談しづらいもの。

歳が離れていたり、厳しそうな上司だったら尚更です。
そんな時に頼れる先輩がいたら、新人にとっては心強いものです。

4.2 メンティにも個性がある

ただ、気を付けなければいけないのはメンティにも個性があるということ。
その性格や能力、経験の差によって、求めるものや求め方に違いが出ます。

その人は答えが知りたいのかもしれません。
ヒントだけを与えてもらって、後は自分で考えたいのかもしれません。
悩みを聞いてもらうだけでいいのかもしれません。

懇切丁寧に教えてもらうことに感謝する人もいれば、煩わしいと思う人もいます。
あまり面倒を見すぎると、それに頼り切ってしまう人もいます。

その人にとってどんな助言や指導をするのが一番いいのか?
どんなやり方がその人の成長に役立つのか?
それを考えるのもメンターの仕事です。

4.3 相手を理解する、相手の立場になる

誰かをサポートしようと思うなら、まずその人を理解するところから始まります。
そもそも理解していなければ、何をどのようにしようかなんてわかるはずがありませんよね?

こんなことを言うと、「今さら言うことでもないだろう。」と、あなたは思われるかと思います。

でも、あなたは知らず知らずのうちに、人を自分の思い通りに動かそうとしてしまうことはありませんか?
自分を押し付けてしまうようなことはないでしょうか?
相手が年下なら尚更です。

メンティの抱える悩みや問題は彼(彼女)自信のものであって、あなたのものではありません。
だから相手の立場で考えないと、何の解決にもなりません。

教える仕事の内容についてもそうです。
仕事を効率よくこなすには、何に注意したら良いのか?
上司への応対はどうしたら良いのか?
顧客とはどう接したら良いのか?
他にもいくらでもあると思います。

でも、メンティが本当に求めているのは何でしょうか?

あなたが考えるべきことは、どうしたらメンティのためになるのか?
メンティは何を知りたがっているのかということです。

そして、タイミングよくアドバイスをしてやることであり、何時でも相談にこれるような場を作ってあげることです。

4.4 心を開いてもらう

あなたも、あなた自身が信頼できない人には相談しづらいですよね?
相手があなたを信頼していなければ、決して本音は話しません。
本音がわからなければ、やはりそこには解決はありません。

信頼を得るためにはどうするか?
結局、前の項でお話したことと同じです。
相手を理解し、同じ立場に立つこと。
自分の土俵ではなく、相手の土俵に立つことです。

具体的にどうするかというと、本気で相手を助けたいと思うこと。
そして、興味を持って相手に接するということです。
相手の普段の言動を良く観察し、話を聞くことです。

ただ表面的なことを聞くのではなく、何故そう思うのか?
何が問題なのか?
相手はどうしたいと思っているのか?
どうして欲しいのか?
など、具体的な内容まで掘り下げることです。

メンティも、自分に興味を持もたれていることがわかれば、心が動くはずです。
そして、その積み重ねが信頼へと繋がって行くのです。

また、質問を掘り下げて具体的なものが見えれば、解決策も見つかります。
問題が解決すれば、そこからまた信頼が生まれてくるものです。

4.5 客観的な姿勢を忘れないこと

メンターとして、忘れてはいけない大事なことがあります。
それは、客観的な姿勢を保つということです。

メンティのことを考えて、メンティのためにするサポートですが、あまりのめり込むと、正しいものが見えなくなることがあります。

例えば相手があんなことがして欲しい、こんなことをしたいと言っても、それが組織として必ずしも良いことばかりではない。
場合によっては害になることもあります。

あなたはその善悪を判断して、メンティをきちんと指導しなければなりません。
ただ、それが組織として本来正すべきことだということも時にはあります。
そこは良く考える必要があります。
その時は先輩や上司に相談しましょう。

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5  まとめ

人は様々な個性を持って生きています。百人いれば百の形があります。
だから、これまでお話してきたことが必ずしも当てはまらないと、感じることもあるかもしれません。

こんなことを書くと、気おくれする人もいるかもしれません。
いったいどうしたらいいの? と思うかもしれません。
でも実際には、ほとんど問題もなく流れて行くのが現実です。
必要以上に心配することはありません。

でも、もちろん人の世界ですから思うようにいかないことは有ります。
それでも、基本は人と人との繋がりです。
真剣に考えて対応すれば、答えは必ず見つかります。

誠意を持って真剣に考えて上げてください。
あなたのしたことは、将来必ずメンティの役に立つはずです。
そして、あなた自身の成長にも繋がります。

頑張ってください。
応援しています!

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吉田愼吾

吉田愼吾

防衛大学校卒業後、航空自衛隊で幹部自衛官として勤務。戦闘部隊、司令部、学校等の様々な部署を経験することにより、人や組織の管理に関する実戦的な技法を習得。
55歳で定年退官後、不動産会社の開発担当として1年間勤務するが、親の介護のために退職。
その間の経験が裏打ちとなり、見込み客を惹きつけるポイントについて確信を得る。
その後落ち着いて、再就職のためにハローワークを訪れるが、50代に用意された仕事の内容と報酬に愕然とし、起業を目指す。
「ザリードビジネス」の田中社長に背中を押され、「お金をかけない簡単プロダクトローンチ」のプロデュースライターとして起業。
現在、航空自衛隊を定年退官するまでの3年間の人事部長としての経験と、その後習得した心理分析プロファイルの知識を活かし、人間関係を中心とした問題解決コンサルタントとしても活動中。

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