ブランドコンセプトの作り方とは?長く売れる要素とは?

ブランドコンセプトってどうやって作るの?
長く愛されるブランドにするにはコツがある?
ブランド力というのは、強い効果を発揮するので、マーケティングには有益に働きます。
しかし長く親しまれるブランドもあれば、すぐに消えてしまうブランドもありますよね。
この違いはどんなところにあるのでしょうか。
ただブランドを立ち上げてそれを売りにしていくことは、どちらかといえば容易です。
しかし長く愛されるブランドにしたいのであれば、「ブランドコンセプト」をしっかり練る必要があります。
ここではブランドコンセプトを作る時の考え方やコツをご紹介します。
また、有名ブランドの成功例を見ていきましょう。
目次
ブランドコンセプトを作るメリットとは?
ブランドコンセプトを作ると、たくさんのメリットがあります。
①価格プレミアム
価格プレミアムとは、消費者がそのブランドの価値が高いと認知されていることから、他の競合や業界相場よりも高い価格で取引できる状況を指します。
価格プレミアムは競合との価格競争の巻き込まれないというメリットがあります。
同系列のお店よりも明らかに価格が高いのに、消費者に選んでもらえる状況が発生するということです。
「多少は高くてもこのブランドだから支持したい」というのが価格プレミアムなのです。
②差別化
ビジネスをする上で必ず競合はいます。
多くの企業は「競合相手との違い=差別化」を生み出す為に様々な工夫をしています。
よくあるのは、「品質の向上」「商品・サービスのラインナップを変更する」「価格を下げる」などですが、これは一時的に効果が会っても消費者には大きな違いには見えず、その後も競争の波から逃れることはできません。
ブランドコンセプトがあると、この競争の波の外で戦うことができます。
ブランドコンセプトを作るということは、そのカテゴリーの中であなたが一番になる領域を作るという事です。
消費者の心に残るようなブランドになれば、他社とは比較のしようがないので、唯一無二の対象になれるのです。
③人の心に残る不滅のもの
実際に店舗を経営する場合、思わぬ事態に巻き込まれることがあります。
例えば火災に巻き込まれたり、地震や災害に巻き込まれる可能性はゼロではありません。
そういった災害によって実店舗がなくなってしまった場合でも、ブランドコンセプトがしっかりしていれば、そのブランドは支持する人の心に残っています。
ですから復旧の際にも「ゼロからのスタート」ではなく、支持してくれる人が訪れることで、すぐにでも事業回復をすることができます。
④意思決定の時間短縮など
ブランド化されていない道の商品の場合は、その商品やサービスを購入する前に情報を調べようとします。
それはこの商品にお金を出す価値があるのか、この価格相当の価値があるのかという部分に不安があるからです。
ですから消費者が商品を見つけてから、意思決定をして購入に至るまで時間がかかります。
それに対してブランド化していれば、消費者からの氏名買いになるので、そういった時間はゼロに等しくなります。
その商品を売り込むまでもなく購入に至るので、無駄な時間を削減できるのは大きなメリットです。
ブランドコンセプトの作り方とは?
ブランドコンセプトは無理矢理作るものではありません。
まずはあなた自身がその商品やサービスを使い、その特徴や良い点・悪い点を見出していくことです。
その上であなたが大切にしたいと思う部分を、見える言葉で表現することがコンセプトになります。
しかし、いきなりブランドコンセプトを作れといわれても難しいですよね。
その場合は、商品やサービスから、どんな未来を描きたいのか、ストーリーを作ることから始めましょう。
ストーリーを作る際には、以下に上げる項目に当てはめて作ると進めやすいです。
- 誰が
- どこで
- どのような環境で
- 何を
- どのように
- いくつ
- いくらで
- 誰と
- なぜ
- いつ
- 何を提供するのか
- プラスアルファのメリット
また、その時に「ユーザーにとって何が問題なのか?」、「ユーザーにとってその問題が解決される方法は何のか」という2点が重要になります。
ずっと抱えている困りごとがあって、それをあなたの商品で解決できたら、ユーザーは喜んで支持してくれますよね。
そして同じ問題で困っているユーザーが多いものほど、長く愛される商品になる可能性が高まります。
それをユーザーに伝わりやすくするために、できるだけ曖昧な表現はやめましょう。
例えば「定額で使用できるギガが増えます」というよりも、「動画・SNS見放題です」の方がユーザーには分かりやすいですし、困りごとにもピンポイントに響きますよね。
動画やSNSを毎月使いすぎてしまうことで困っている人には、「これで解消される」というストーリーができるはずです。
長く売れる要素とは?
せっかく作ったブランドですから、長くユーザーに愛用されるもの、長く売れるものにしたいですよね。
そのためには押さえておきたい要素があります。
①ユニーク性がある
ユニーク性とは「他にはない」という部分です。
上記した差別化と同様に、他社競合の価格競争に巻き込まれない為にもユニーク性があることは絶対です。
もしあなたのブランドコンセプトが既に存在していたり、他のブランドコンセプトと似ていれば、ユーザーは「パクリだ」「真似しているだけ」と思われるだけで記憶にも残りませんし、選ばれることもありません。
ユーザーに長く選ばれるためにも「他とは違う」ということが重要なのです。
②心の奥にある悩みを代弁する
私達は口には出さないけれど、「ここは不便だな・・」と思っていることがとても多くあります。
このような心の奥にある悩みや不安を解決する商品やサービスであれば、顧客の心を掴むことができます。
例えば「履くだけで足が細くなるストッキング」というブランドコンセプトがあるとしましょう。
これは足が太いのは気になるけれど、ダイエットのために運動する暇がないという女性の心の声を代弁しています。
通勤時間に履いて歩くだけで足が細くなるとすれば、「こんなの欲しかった!」と感じる女性が一定数はいるので、売れる可能性があります。
③自分の本質的な考え方と一致する
ユニーク性と心の声を代弁すれば、基本的に売れる商品を作ることは出来ます。
しかし「自分の本質的な考え方と一致する」という条件がなければ、いずれ破綻への道を歩き始めるでしょう。
多くの場合、商品を売りたい側は「儲けたい」という気持ちがあることは否めません。
中には「儲けたい」という本音を前提に、ユーザーに対して甘い言葉で勧誘して、売り上げを上げようとする人もいるでしょう。
ところが、そのような方法で販売をしていると、ユーザー側では望んだ結果が得られなかった場合「話が違う」とクレームの原因となり、リピートには繋がらないでしょう。
逆に構築したブランドコンセプトが自分の本音と合致していれば、良い循環が生まれます。
自分の本音と合致するものなので、嘘や偽りもありませんしそれを叶えるためにあらゆることをユーザーに提供しようとするからです。
その結果、ユーザーからも愛されるようになりますし、あなた自身がユーザーにとってのブランドになることもできるのです。
④得られる未来をイメージしやすい一言で表現したもの
あなたのブランドコンセプトを通して商品やサービスを利用した顧客が、得られる未来や到達できる未来を一言で表してみましょう。
自動車であれば、「短時間で移動できること」ですし、さらにもう一歩踏み込むと「家族との空間」や「子供とのドライブ」などを表現することができます。
「あなたの商品やサービスを利用する事によって、どのような未来が得られるのか?」をストーリーにして描写し、それを顧客に伝わる一言にしましょう。
ポイントは、難しく考えすぎないということです。
難しいと相手がイメージをしにくいですし、伝わりません。
シンプルで、パッと聞いただけで伝わることが重要です。
まずは一言の表現を作るために、どのような未来が得られるのか色々なストーリーを考えて見ましょう。
⑤得られる未来に到達するための解決策
上記で考えた、「得られる未来」に到達するまでの障害や障壁を考えましょう。
そして、その壁を乗り越える方法を書きだしましょう。
今の世の中には色々な方法が溢れています。
壁を乗り越える方法は決して一つではありません。
その真実を伝えた上で、あなたの提案する方法(商品やサービス)が他と違って優れているということを論理的に説明すると、信用を得られることができます。
その際には以下の質問を考えて見るのがおすすめですよ。
- その商品が目指す理想の状態は?
- その商品が表現する本質的な考えとは?
- その商品が生み出す常識とは?
- その商品のオリジナリティを示すものとは?
すぐに答えが出てこないかもしれません。
しかし時間をかけてでも見つけることが、圧倒的な差別化に繋がり、売り上げ向上にも繋がっていくので、粘り強く考えてみましょう。
ブランドコンセプトの成功事例とは?
ここで紹介したい成功事例は「シャネル」です。
世界的に多くの女性に愛される老舗ブランドですが、現代もファンを増やし続けています。
シャネルは「エレガンス」と「働くこと」を両立させたファンションブランドを創出しました。
服の素材には高価な惣菜を使わず、色も黒を中心とした白とベージュを使っています。
当時、女性と言えば装飾品を身につけることが当たり前だったのですが、自由を奪うものとして、装飾から女性を解放しています。
そんなシャネルが打ち出したブランドコンセプトは「女による女のためのモード」です。
これは、富裕層だけではなく一般大衆からも熱烈な支持を得ました。
フランスからスタートしたシャネルは、ヨーロッパを越えてアメリカでも大ブームを巻き越します。
それが語り継がれて現代にも続いているのは素晴らしいことです。
他にもいくつか例をあげると、
スターバックスのブランドコンセプトは「家庭でもなく職場でもない第3の空間」です。
事実、スターバックスにパソコンを持ち込んで作業をしている人が多いですね。
ディズニーランドのブランドコンセプトは「魔法の国」です。
言うまでもなく、誰もが日常から非日常へというコンセプトの元、ディズニーという世界観が受け入れられています。
まとめ
いかがでしたか?
ブランドコンセプトはあなたのビジネスや商品をストーリーに仕立てて、それを一言で表現したものです。
ブランドコンセプトにはユニーク性があること、サイレントマジョリティを代弁すること、自分のコアと合致することなどがあげられます。
唯一無二のブランドコンセプトを目指すつもりで考えると良いでしょう。
ブランドコンセプトを確立することにより、価格プレミアムが生まれて他社との価格競争に巻き込まれる心配がなくなります。
また究極の差別化を図ることで、ユーザーの心にずっと残るものになるでしょう。
シャネルが今でも愛され続けるように、あなたのブランドにもブランドコンセプトを作っていきましょう。