マーケティングで使うUSPとは?意味や作り方はコレ!

マーケティングで使うUSPって何のこと?
USPの意味や作り方を知りたい!
USPは商品やサービスに対する、その企業独自の強力な提案を指します。
強力な提案なので、他では絶対に真似できない商品やサービスであることが前提です。
現代ではUSPがなければ物が売れない時代だ、といわれるくらい、価格競争が激しくなっています。
USPは絶対に必要ではありませんが、あった方が有利に物事を進めることができるでしょう。
ここではマーケティングにおけるUSPがよく分からない人、事例を知りたい人に、USPの仕組みをご紹介します。
さらに、USPをどのように作っていくのかも合わせて見ていきましょう。
目次
マーケティングで使うUSPの意味とは?
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マーケティングで用いられるUSPはロッサー・リーブスというコピーライターによって、50年ほど前に発見されました。
このUSPを一言でいうと、「消費者に対する独自であり強力な提案」となります。
USPはどんな企業でも気軽に提案できるものではなく、USPを決めるには相当の時間や労力が必要となるでしょう。
USPには3つの定義があります。
① 消費者に対しての提案
広告のようにただ、言葉や画像で見せるだけではなく、「この製品を使えばこの利益やベネフィットが手に入ります」という提案であること。
提供者の目線ではなく、消費者の目線に立った提案であることがポイントになります。
② 独自のものである
競合にすぐ真似されるようなものではいけません。
簡単に真似ができると、それだけで独自性がなくなり差別化が難しくなります。
独自性はなにも商品だけではなく、それを作っている人のストーリーや歴史などでも問題ありません。
他社が示すことができない独自性があるものでなければ、他の商品やサービスに埋もれてしまうことになります。
③ 強力・強烈な提案
この提案は顧客の心が動くほど強力でなければなりません。
心に響かなければ商品やサービスが売れることはありません。
逆に、心に響けば爆発的に売り上げが伸びていきます。
「相手の心に」という点がポイントです。
USPは、これらの定義に当てはまるものとなります。
ですからUSPは必ず必要というわけではなく、ライバル商品との差別化を狙い、商品を一気に世の中に広めるための有効な手段の一つと覚えておきましょう。
USPの役割
多くのものが溢れている現代では、同じような価格で同じような商品やサービスが提供されています。
ユーザーはその中から商品を選ぶ際に、最も重視するのが価格です。
ですから多くの企業は価格競争に巻き込まれることになります。
独自の売りや強みに基づく「販売提案」がUSPであり、これがなければ価格競争に巻き込まれるということです。
そこで「独自の強み・売りを持ちましょう」というのがUSPの役割なのです。
その結果、無駄な価格競争に巻き込まれることなく、実績を上げることができるでしょう。
USPの事例とは?
言葉だけでは分かりにくいという人のために、ここではUSPの事例をご紹介します。
一度は聞いたことがある有名なものばかりです。
ドミノピザ 「ホットでフレッシュなピザを30分以内にお届けします。もし30分以上かかったら、ピザの料金は頂きません」
ドミノピザの30分以内に届けられなければ無料というのは、強いUSPですね。
ドミノピザが顧客に提供できるメリットが端的に表現されています。
ドミノピザのUSPで注目しているのは、あくまで「お届けまでの早さ」であり、「味」には言及していません。
言い換えれば、味を約束して欲しい顧客を切り捨て、早さを重視する顧客だけに受け入れられました。
このようにUSPではターゲットを限定して、提供するサービスを本当に必要としている顧客に対して、ピンポイントに訴求する強力さを持っています。
M&Ms 「お口でとろけて、手にとけない」
M&Msのチョコレートは砂糖菓子でチョコレートをコーティングしているので、手に持っていても溶けることがありません。
チョコレートは高温で溶けるという常識を覆したUSPになっていますね。
これはチョコレートは溶けてベトベトになるので、暑い日は食べられない、ずっとチョコレートを握っている子供の手を想像して、「何か良い方法はないかしら?」という顧客の困りごとを形にした結果になっています。
ありそうでなかった発想であり、手も服も汚さずに子供でも安心して食べられるお菓子というのは、USPとしての強みがしっかりしています。
QBハウス 「お客様のカットに要する時間は、約10分。価格は、1,080円にて提供いたしております。」
髪を切るとなれば、1時間程度の時間を作る必要があります。
また安いと言われる場合でも、3000円という価格が主流でした。
QBハウスは所要時間10分で価格は1000円という大胆なUSPを打ち出し、利用業界の常識を打ち破ったことで知られています。
ただ髪を切ってくれればいい、シャンプーやヘアセットなどはいらない、その代わり時間も代金も少なくしてほしい、こういった希望を持つ顧客は一定数いたものの、なかなかニーズに応えるサービスは現れませんでした。
その裏には収益に結び付きにくいという考えがあります。
QBハウスはそのニーズに向き合い、顧客の希望を満たすサービスを作り上げたことで、なんと操業20年で年商100億円を稼ぐ大企業へと成長しました。
ニーズがあれば利益に繋がることを証明したUSPでもありますね。
USPの作り方とは?
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最後にUSPの作り方を見ていきましょう。
核(コア)となる部分を見つける
USPを作るためには、独自性を見つけるために自身の核となる部分を見つける必要があります。
自身のコとは、今のあなたが心から取り組みたいと思える内容です。
例えば、経済的な自由と時間的な自由が一生約束されている状態で、それでも「やりたい」と思えることが自分のコアの候補になります。
しかしそれは、なんでもいいというわけではありません。
やりたいと思ったことの方向性が自分自身ではなく、自分以外である社会に向いているかということ大切です。
自身の核を探しながら、それが誰かの役に立つのかを考えましょう。
核を探しながら今の環境で全力を尽くしていると、見つかりやすくなります。
現実の世界で求められていること
自身のコアを自覚することができたなら、今度はそれを現実世界で通用する形に落とし込んでいく作業に入ります。
自分のコアというのは基本的に独りよがりなことが多く、現実の世界では求められていない可能性があるからです。
重要なのは、自分のコアと「サイレントマジョリティー」のニーズが一致していることです。
サイレントマジョリティーとは口には出さないけれど、多くの人が抱えている潜在的な問題や不満、悩みのことです。
先ほどの事例でいえば、M&Msの「手の中で溶けないチョコレート」というのは、口に出す人はいなくても多くの人が心の中で「あったらいいな」と思っている内容です。
これを解決する為に自分の核を活かすことができるかを考えてみましょう。
USPを言語化する
あなたのコアがユーザーの悩みや問題を解決できるとなったら、最後は文章に落としてみましょう。
USPは独自の販売提案となるものなので、誰にでも見えるように言語化する必要があります。
短い一文、長文、単語、どれがいいというのはありませんが、大切なのは自分でしっくりくる文章を見つけることです。
そもそもコアを自覚して、サイレントマジョリティーを自覚すれば、それを文章として表現したいという欲求が生まれるものです。
もし考えても良い文章が見つからない場合は、既に世に出ているキャッチコピーを参考にして、オリジナルの文章を生み出してみましょう。
USPにおいては独自性が大事なので、間違っても他のキャッチコピーをそのまま真似することはおすすめしません。
まとめ
いかがでしたか?
マーケティングやビジネスでは、提供したい商品やサービスに対する独自の強みを定義する必要があります。
それを集約し顧客に伝わりやすくしたものが、USPです。
USPに成功すれば、集客と利益獲得が一度にできるので、どこの起業でも強力なUSPを生み出そうと必死です。
しかし一度、USPを表明したら、何があっても守り抜かなければなりません。
そういった厳しい面を考慮しながらUSPを考えていかないと、顧客の信用を失うことになり逆効果です。
USPを作るのであれば、サービスや顧客に向き合い、一生貫ける約束事を決めることが重要です。