社会保険労務士が独立・開業するには?失敗しない集客と営業のコツ!
社会保険労務士でも独立・開業できる?
集客で失敗せずに成功する方法ってあるの?
社会保険労務士の中には社労士事務所や企業の人事総務部で仕事をしている人も多いのではないでしょうか。
ゆくゆくは独立する夢を持っている人も少なくないでしょう。
社会保険労務士として独立・開業することはもちろん可能です。
気になるのは独立した場合の年収や、独立するまでの流れ、そして顧客をどう獲得するかという部分です。
ここでは社会保険労務士として働く人が独立・開業をするまでの段取りや準備を見ていきましょう。
そして社会保険労務士として失敗しないための集客方法もご紹介します。
目次
社会保険労務士の年収は?
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社会保険労務士の仕事は労働保険の手続き、人事労務に関するコンサルティング・指導などを行います。
その他にも、
- 助成金の申請書類の作成
- 職場環境を作るための就業規則や人事制度の作成や監査業務
- 賃金計算の受託
- 労務相談
- 年金や退職金に関する助言
顧客に貢献できる内容は多岐にわたります。
社会保険労務士は国家資格であり、厚生労働省によると現在は4万人を超えるそうです。
そんな社会保険労務士の年収を見ていきましょう。
- 平均年収は670万円
- 平均給与は42.3万円
- 平均賞与は162万円
もちろん年齢や勤続年数、実績などにより変わってきますが、年収は450万円~700万円というところでしょうか。
更に事務所勤務と独立開業の社会保険労務士で違いはあるのかというと、
- 事務所勤務…400~650万円
- 独立開業…450~800万円
安定した経営ができれば、独立開業した社会保険労務士の方が、年収が多いという結果になっています。
社会保険労務士の独立・開業のメリットとは?
社会保険労務士が独立・開業をするメリットはどんなところなのでしょうか。
①時間の自由
会社勤めになると、その会社のルールに合わせることになります。
勤務時間、接する顧客、業務範囲までも決められてしまうこともあるでしょう。
独立すると顧客の数、業務内容や業務量を自分で調整しながら、働く時間も休日も決めることができます。
結果、育児や介護、その他の業務などと両立が可能です。
②案件選択の自由
独立した場合、受ける案件を自分の判断で自由に選ぶことができます。
会社に勤めている場合、得意分野だけでなく苦手分野もやらなければいけない場面が多々あるでしょう。
得意分野の案件を中心に行うことで、実績を積むことができますし、それを強みに顧客に営業をかけることも可能です。
自分の強みを活かすことができるので、顧客満足度の向上にも繋がります。
③収入の変化
独立した場合、稼いだ売り上げがダイレクトに収入に繋がります。
会社の場合はどれだけ成果を上げても、そのまま給料アップに繋がることはありません。
独立したばかりの頃は、収入が不安定になると思いますが、経営が安定すれば成果がそのまま収入になることを実感できます。
そうなれば仕事へのモチベーションもアップするので、より良い仕事に繋がります。
社会保険労務士が独立・開業するには?
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では、社会保険労務士が独立・開業する手順を見ていきましょう。
資格取得をしたら、その後やらなければいけないことがいくつかあります。
また事前準備も大切です。
①社労士試験に合格
社会保険労務士は国家資格です。
まずは試験に合格しなければ独立どころではありません。
社会保険労務士試験の受験申込受付と試験日は以下の通りです。
- 申込受付…毎年4月中旬~5月中旬
- 試験日…毎年8月の第4日曜日
- 受験料9000円
半年~1年前には勉強を始めて合格するか、専門の学校に通うなどで合格できます。
合格率は10%未満とかなり難しい試験です。
②社労士名簿に登録
社会保険労務士試験に合格したら開業ができる、というわけではありません。
実務経験が2年以上あるか、ないかでやるべきことが変わります。
実務経験が2年以上ない場合は、事務指定講習の受講が義務付けられています。
講習は通信教育4ヶ月と面接指導課程が4日間あります。
受講に期限はありませんが、独立開業を考えているならできるだけ早めに受講しましょう。
実務経験があったり、講習が終わった人は、全国社会保険労務士連合会へ登録します。
これで、社労士名簿に記載されるようになります。
登録は全国社会保険労務士連合会と、都道府県の社労士会の2ヶ所に行います。
登録には登録費用がかかります。
- 登録手数料…3万円
- 登録免許税…2万円~3万円
- 社労士会への入会金が開業型の場合5~8万円、勤務型の場合は3~5万円
更に都道府県の社労士会への入会金と年会費が別途必要です。
③独立開業
社労士会への登録が済んだら、独立開業に向けて動くことができます。
まずはどこで開業するのか、事務所を借りるならその手続きなどがあるでしょう。
多くの場合、最初は自宅を事務所と兼任することが多いようです。
そして自分の納税地を管轄する税務署に「個人事業の開業届」を提出します。
これで社会保険労務士として仕事を始めることができます。
開業届出書は国税庁のホームページからダウンロードできます。
窓口での手続きには1時間程度で済みます。
開業届の提出は、事業を初めてから1カ月以内と決められているので、開業したら早目に準備しておくことです。
事前準備
開業するまでの事前準備もしっかり行っておきましょう。
事前準備があるかないかで、その後の経営が変わってくる可能性があります。
仲間作り
同業者の仲間作りは重要です。
開業当初は仕事を受注したとしても、分からないことが多く、常に不安が付きまといます。
そんな時に同業者の先輩や、経験者の繋がりがあるのは強いです。
見方を変えればライバルになる可能性もありますが、情報を共有できたり、顧客を紹介し合うこともできるので、メリットも多いのです。
士業はある意味、孤独なお仕事ですが、仲間同士で助け合うことで、円滑な運用を回せるようになります。
開業セミナーに参加
社会保険労務士として開業するためのセミナーが開かれています。
こういった人が集まる場所には積極的に参加しましょう。
- 社会保険・労働保険・助成金・就業規則などの実務的に役立つ内容が組み込まれているセミナー
- 開業に向けての心構えを教えてくれるセミナー
- 質疑応答メインのセミナー
このように内容も様々で、その場に行けば同じように独立・開業を目指す仲間と情報交換もできます。
顧客獲得のための人脈を広げることもできるので、積極的に交流しておきましょう。
実際に開業した後の仕事の相談、依頼など、何かという時に役立つことが多いです。
社会保険労務士の失敗しない集客とは?
社会保険労務士として独立したものの、顧客が集まらなければ経営できません。
ここでは社会保険労務士が失敗しない集客方法をご紹介します。
飛び込み営業
営業が得意、または前職が営業だったなど、自分を売り込む術を持っているのであれば、飛び込み営業も良いでしょう。
面と向かって相手と話すので、あなたの人となりを上手く伝えることができれば、集客に繋がります。
もちろん門前払いにあったり、文句をいわれることもあるでしょう。
最初は中小企業などを訪問して、根気よく商談していくことです。
セミナー
経営者向けにセミナーを開催して、そこを突破口に顧客を開拓する方法です。
1対1で話すよりも、一度に多くの人にあなたの人となりや強みを伝えることができます。
もちろんセミナーのテーマは、顧客が興味を引きそうなものを選びましょう。
人事制度や退職金などは一般的ですし、誰でも関わりのあるところですね。
また法律が大きく変わった時などは、興味のある人が増えるので狙い目です。
紹介
自分の人脈を通じて、顧客を紹介してもらう方法です。
前職も社会保険労務士として働いていたのであれば、そこでの人脈を活かすのも良いでしょう。
先輩社会保険労務士や、セミナーで知り合った社会保険労務士など、既に士業系で成功している人からの紹介は期待できます。
少しずつでも人脈を構築しておくと、後々役立つ場面が出てくるでしょう。
Web
インターネットを使って不特定多数に幅広くアピールできるのがWeb集客です。
事務所のホームページを作成して、顧客開拓をしていくので、デザインがキレイなのは当たり前です。
社会保険労務士としてのあなたの強み、他社との違い、何ができるのかという部分が伝わる内容にしましょう。
もちろん、あなたがどんな社会保険労務士で、どうなりたいのかも併せて載せておきましょう。
またブログで顧客にとって有益な情報を発信して、ファンを増やし、そこからホームページに誘導するという方法もあります。
社会保険労務士は顧客からの信頼が大切です。
顧客との信頼は実際に会話をしたり、相談にのることで積み上がっていきます。
それがWeb上で出来るのがSNSです。
ホームページ、ブログ、SNSを連携させて、社会保険労務士のコミュニティを作っていきましょう。
その結果、社会保険労務士の仕事に興味がある人が集まり、集客に繋げることができます。
社会保険労務士の営業のコツとは?
社会保険労務士の営業のコツは、自分の強み、専門性を明確にしてアピールしていくことです。
あなたが極めている分野があれば、ターゲットを決めて得意分野をアピールしていきましょう。
あなたの得意分野で悩む顧客は、日々、どんなことに悩んでいるのか、そしてそれを解決するには何ができるのか、こういった部分を具体的に伝えることができれば、顧客に「ちょっとお願いしてみたい」と思ってもらえるでしょう。
ターゲットを絞り込むことで、あなたの得意分野に興味や関心を持つ人だけをセミナーに集めることも可能です。
またWebサイトやSNSを使って、専門分野に関わるコラムを載せて、より多くの人に専門性をアピールするのも効果的です。
その際は、社会保険労務士に関連するサイトにも登録しましょう。
全国社会保険労務士会連合会の公式ウェブサイトや、社会保険労務士事務所情報を集めたウェブサイトなど、様々な事務所が掲載されているので、顧客側から社会保険労務士を探せるような仕組みになっています。
仕事はプロジェクト単位の受注だけでなく、可能な限り顧客との間に信頼関係を築いて「顧問契約」を結べるようにしていきましょう。
一定期間毎月顧問料が支払われるようになるので、安定した収入に繋がります。
まとめ
いかがでしたか?
社会保険労務士として独立・開業するためには、資格取得、2年以上の実務経験または、事務指定講習の受講が必要です。
そして社労士名簿に登録に登録すれば、晴れて社会保険労務士として仕事ができます。
資格取得は必須ですが、独立するための事前準備もしっかりと行っておきましょう。
準備期間に何をするかで、独立してから成功できるか否かが変わってきます。
そして開業後は顧客を集めるための手段をいくつか並行して取り組んでいきましょう。
独立とはいえ、横のつながりは重要です。
コミュニティに参加する、人脈を広げるなどの対策が、後々の集客に繋がることを忘れないようにしましょう。